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イタリア、新型コロナウイルス感染の動向・特色と経済への影響

投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社、マーケットレポート・ヘッドライン。日々のマーケット情報を専門家が分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報・ヘッドラインを転載したものです。

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イタリア市民保護局は2020年2月25日、イタリアの新型コロナウイルスによる死者が計11人となり、感染者は死者を含めて322人になったと明らかにしました。イタリア北部を中心に新型コロナウイルスの感染が広がるなか、イタリア国内に留まらず、周辺国にも感染が広がっています(図表1参照)。

 

出所:各種報道等を参考にピクテ投信投資顧問作成
[図表1]欧州の最近の新型コロナウイルスへの主な感染例 出所:各種報道等を参考にピクテ投信投資顧問作成

 

このような中、ローマで25日、フランスやスロベニアなどイタリア周辺国の保健相による閣僚会合が行われ、現時点ではイタリアとの国境封鎖は実施しない方針を決定しました。しかし、感染を巡る懸念は深刻さを増しています。

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新型コロナウイルスは、中国以外に感染の広がりを見せ始めています。欧州ではイタリアで既に300人を超える感染者が確認されています。欧州でのイタリアを中心とした感染拡大の兆しについては、イタリア経済への直接的な影響と、周辺国への感染拡大が抑制されるかに注意が必要です。

 

まず、イタリアにおける新型コロナウイルス感染の動向や特色を簡単に振り返ります。イタリアの当初の感染例は、ローマ(イタリア南部)を訪問した中国人夫婦を含む3件でした。しかし、感染が拡大したのは2月後半で、場所はミラノ(イタリア北部)近郊の病院と、初期の感染と離れた地域で感染が広がりました。この病院で治療を受けた男性が感染を広めたと報道されていますが、この男性は最近中国へ渡航していないとも伝えられています。感染経路がわからない状況であることも不安の種となっています。

 

イタリアの感染は北部で拡大しており、特にミラノを含むロンバルディア州や、ベネト州などで11の自治体が封鎖されています。両州では学校休校や、映画館などが閉鎖されています。イタリアは経済の中心が北部に偏る構造で、例えばロンバルディア州はイタリアのGDP(国内総生産)の2割以上を占めています。北部での感染拡大の影響が懸念されます。

 

また、イタリアは観光産業がGDPの5%を超える主要産業です。19年10-12月期にマイナス成長となったイタリア経済に観光産業の懸念は重荷となりそうです(図表2参照)。

 

四半期、期間:2009年10-12月期~2019年10-12月期、前期比 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表2]イタリアGDP(国内総生産)成長率の推移 四半期、期間:2009年10-12月期~2019年10-12月期、前期比
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

イタリアはユーロ圏でギリシャに次いで債務残高対GDP比率が高いため財政政策の自由度が低いと見られること、銀行部門の不良債権比率が依然高水準であることもイタリア経済の不安を高める要因と考えられます。

 

なお、先のイタリアの観光産業の重要性とも関連がありそうですが、現状では欧州における新型コロナウイルスの感染拡大はイタリアが関係すると見られます。人の移動の自由を認める欧州連合(EU)の一角だけに、25日の閣僚会合では国境封鎖は回避された模様ですが、イタリア北部への渡航は見合わせの対象となっています。ドイツやイタリアと国境を接するフランスの感染者は両国の水際戦略で少数に留まっていますが、今後の動向は不透明です。イタリアのコンテ首相はこれまでの対応策による改善に期待を示してはいますが、結果の予想は困難です。当面の推移に注視が必要です。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『イタリア、新型コロナウイルス感染の動向・特色と経済への影響』を参照)。

 

(2020年2月26日)

 

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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